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「ザリガニの鳴くところ」を読んで一番印象深かったこと

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「ザリガニの鳴くところ」を読んで(書評)

ワニの靴

「ザリガニが鳴くところ」を読んでみて一番記憶に残ったのがワニの靴というワードです。

主人公の幼い少女が寄せる母親への慕情そして憎しみが詰まっている気がしてなりません。

そして、革靴でもいいのにワニの靴というのが私の心にあることを思い出させました。

ワニという生物

ワニって、聞くと恐ろしい生物って思います。アマゾン川や池にいて、もちろん日本には生態系的には生存していないのでしょうけど。しかし、人は恐ろしいワニを捕らえて食べたり、皮を靴やバッグにするということを思うと、私がいつも好んで見ているオカルト動画の「ムナク〇」系の話しそのものとあまり変わらないようにも思えます。

母のハンドバッグ

私もそうですが、私の母は、レトロな時代、昭和時代をよく知っています。

Ginza 4-Chome intersection

母は、よくデパートへ行きました。そしてバッグ売り場へ行っては、ハンドバッグを手に取り、「いいわぁ」とか、なんとか口にします。私自身は人込みが嫌いなので無理やり連れていかれるのが嫌でたまりませんでした。「何がいいの?」と皮肉やらもう帰りたいという気持ちを抑えて母に私は聞くのですが、母は、「このハンドバッグいいわよね?」というだけです。本当に不思議だったので私はなんでそんなにそのバッグが好きなのか?と聞くと母は、「ワニ革なのよ」と言います。私はなぜワニ革がいいのか、とますます疑問に思って尋ねると母は「これは、高いのよ」と言いました。

母はいつ購入したのか、いつのまにかそのワニ革のバッグを持ってました。

母が親友と呼ぶ女性の友人にそのバッグを自慢しているのを何度か見ました。母の親友の女性は、「すごいわね、私には買えないわ」と言ってました。そのあと1か月もしない間にワニ革のバッグは母の寝室の押し入れに入れっぱなしになっていました。

もう半世紀以上たちますが、このワニのバッグは実家にはどこにもありません。

と、こんなことまで思い出します。

 

 

石神井公園

「ザリガニが鳴くところ」は湖沼地帯とか湿地が出てきます。

わたしの生まれ育ったところのすぐ近くに「石神井公園」というところがあります。

この公園には大きな池が二つあって、一方はボート池と呼んでいました。他に比較的浅瀬に見える池があります。ここには昔お城がありました。お城なので、こっそり逃げ出せるような地下通路があったりしてそこが洞穴として残っていたのです。この迷路は簡単に攻めてこられない造りになっているため、ある道はお城へ通じているけれどある道は行き止まりになっていました。この洞穴へ入り込み、行方不明になった小学生などが何年も経って白骨化して発見されたとニュースになったりもしました。危険なところでした。今はこの通路は完全に入れなくなっています。

私が通う小学校からは、一人で自転車に乗っていったりしてはいけないところになっていました。

沼地

そうなると余計行きたくなるのが子供です。何とかせがんで大人に連れて行ってもらいました。池なのですが、沼だといわれていて実際ここに入っておぼれると上がってこないとか本当かどうかわからないのですが、大人にはよくそう言い聞かされていました。子供同士でも特に女の子同士は、あそこへは一人で行ったり子供同士でいくのはダメなんだよ、と話していました。

ザリガニと私

私は沼や川で魚を採ったり、ザリガニを釣ったりするのが好きだったので実はこっそり一人でもよく行っていました。

「ザリガニが鳴くところ」の題にもあるように、ザリガニって鳴くのでしょうか?

鳴きませんよね。でも、なんかわかる気がします。私は一人で没頭して小魚やザリガニ採りをするような子供だったので、水の中にいる生物をじーっと観察しました。もちろん釣るために、ですが。

すると、ぽつぽつと気泡がでてきたり、カサカサと音がしたのかと思うと池の澄んだ水の底の泥がふわぁっと沸き上がり濁ったりなどザリガニのいる場所がわかったりもします。鳴くことはないけど、そんなわずかな音を鳴く、というのかと思いました。

ちなみに私の父は「ザリガニ」というのはかわいそうだ、と言いました。じゃ、なんていうのかと尋ねたら、「えびがに」でしょう、と言ってました。

私が7歳の頃

6歳や7歳の頃をこの本は思い出させてくれました。

小学校へ行くのがなんとなく好きではなかったなぁとか、でも給食だけは食べに行きたいとかそんな感じのことを思い出します。

ピアノのおけいこ

外で遊んでばかりの私に母がピアノを習わせました。

ピアノのおけいこは近所の家でした。私の家は商売をしていたので、お客さんかなんかの付き合いだったのかもしれません。

このピアノの先生は女性でした。多分、30歳くらいだったと思います。今の私からみると30歳は若くて元気ですが時代も昭和でしたのでしかも、7歳くらいの子供から見るとすごく大人に見えました。

そのうえめっちゃ怒るのです。

鍵盤に置く指を間違えると、「ちがうでしょー」とか言いながら、怒鳴りました。しかも、金切り声っていうんですか、高い声でめっちゃ叱るのです。

2回目までは行きましたが3回目は、どうしても行く気がしなくてボイコットしました。

母親には、「行ってきます」と言って、出かけてそのまま野原に寝ころび空の雲を眺めていました。

ニラ花

ピアノをさぼったのに、罪悪感はありませんでした。

あんなに叱られて気分悪くなる時間を過ごすぐらいなら、さぼったっていいんだと本気で考えてました。気持ちはすがすがしい気持ちでいっぱいでした。後で母親にきっと叱られる。でも、そんなことどうでもいい。もし、また行けというなら、ピアノの先生に向かって親の目の前でヒステリーは嫌だ、とはっきり言うつもりでした。実際、そんなこともなく、あっさりピアノはやめることができましたが。

ボイコットした日のことを今でもよく覚えていて、その時嗅いだにおいも覚えています。7歳で若いし、においも記憶に鮮明に残っているのかと思います。

その匂いとはニラの匂いです。

野原にニラがあったのではなく、あとからわかったのですがあれはニラ花という花の匂いでした。

 

最後に

「ザリガニの鳴くところ」は最初、Kindleで読もうかと思ったのですが、ふとAUDIBLEという読んで聞かせてくれるコンテンツで聴きました。これは、とっても良かったです。というのも、語り口調の文を、まるでアニメの声優さんがかわいい声や少年っぽい声などで読んでくれるからです。アニメを聞いているようで、想像力が掻き立てられました。15時間ほどの長編読み聞かせでしたが、毎日たのしかったです。

この本は幼いころの心理描写がとてもたのしくて、私も思わずいろいろなことを思い出したのでした。また、舞台はアメリカですが年代が日本でいうところの昭和時代なのでそれもあったのかもしれません。

 

ザリガニの鳴くところ

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